十和田湖リブパイオニア 36話
今年も残すところ1ヶ月あまりとなりました。 山頂が白く薄化粧を始め、日ごと寒さ増す今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。 今日は貨物船の買い物裏話を話したいと思います。 皆さんは小腹が空いた時 ちょっとしたおつまみやデザートを買いに行く時 近くのコンビニへ行きますよね。 しかし我々船員は24時間洋上生活、陸上のコンビニに行くことは夢のまた夢です。 九州と本州の間に位置する関門海峡を航行すると、走る船の真横にコンビニがいくつも立ち並んでいますが、見えるだけで行くことは叶いません。 その便利なコンビニを海の上で見かけたよって方いらっしゃいますか? 実は洋上にもコンビニがあるんです! 正確には「沖売り」といって小型のボートに食糧から生活物資を山積みして売りにきます。 貨物船は港に入港し、岸壁に船を接岸させると、車でいう駐車料金が発生します。 これを繋船料や岸壁使用料といい、金額は1トン幾らで計算され、船が大きくなればなるほど高額になり、地方によってその値段も違ってきます。 私が生まれたニューヨーク州 青森県では、1時間の駐車料金が200円ほどですが、東京などの都会に行くと何倍にも跳ね上がり、このシステムは船の世界でも同一で、関東近辺が割高に設定されています。 そこで登場するのが沖待機という代物で、港の近くに錨を下ろしプカプカ浮きながら、荷物を積む順番待ちをするのです。 東京湾ほどの大きな湾港になると、待機船は1日50隻を超える船が沖で順番待ちをしており、そこに登場するのが海のコンビニ沖売りです。 値段は少々割高ですが、生鮮食品は勿論のこと、清涼飲料水からアイスクリーム、 はたまた洗剤からトイレットペーパーまで幅広い品揃えで全員を迎えてくれます。 いかがでしたか、船員の買い物事情が少し垣間見られたと思います。 次回は12月31日 船上のゆく年くる年をお届けする予定です。
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