十和田湖リブパイオニア 76話
3月が始まりました! 各地で春の便りが届く優しい季節がやってきました この時期は、出会いと別れが交差する人生のスクランブル交差点、 みなさまはどのように過ごされていますか? 人の一生には多くの出会いと別れがあり、 特にこの季節はその岐路に立つことが多いのではないでしょうか。 私は冬季間さまざまな船に乗務するため、多くの人に出会いそして別れていきます その中でも題名にある「友」と呼べる人と出会ったお話をさせてください。 それは沖縄航路の貨物船に乗務した時です 20代後半のある若い航海士と乗り合わせました。 彼は曲がったことが大嫌いで、とても勢いのある真っ直ぐな青年、 上職にも躊躇せずに意見を言うので多少誤解されるところもある頼もしい人間でした。 仕事ぶりも優秀で、何を任せても心配なく任せられるので、 いろいろと仕事を頼んでいるうちに意気投合、 船乗りは勤務外でも職名で呼び合う変わった世界、 しかし彼は、勤務外はトヨさんと馴れ馴れしく呼んでくれました(笑) 何気ない世間話から、 過去に出会った優秀な航海士についてお互いに話していて、 私は7年前に乗り合わせた女性航海士の話を持ち出しました。 しかし、その女性航海士は陸上勤務になり、その後退職したので、 今はどこに居るかわからないと言うと、彼は私の顔を見てニヤニヤと笑いはじめました 気持ち悪いぞと言うと、更ににやけてこう言い放ったのです 「その方〇〇さんって言いますか? 今は私の妻になりました」 おや、まぁ、なんてことでしょう!! こんな偶然ってありますか!? 驚きと、結ばれたことへの嬉しさと、 一度に2度美味しい?喜ばしい事態になったのです その年の正月は名古屋で停泊になり、 これまた偶然にも奥様の実家が名古屋で、 里帰りをしていて船まで挨拶に来てくれました なんとここでも驚かされ、 奥様のお腹にはこの国を支えてくれるであろう子供が宿されていました 縁とは不思議なもので、 数年前に乗り合わせた女性航海士の旦那さんとも乗り合わせるという ドラマのようなことが現実に起こりました。 その後、無事に女の子が誕生し、すくすくと成長していると連絡があり、 今年は十和田湖へ家族で遊びに来てくれるそうです。 「友」と呼べる人は、国籍も性別も年齢も関係なく、 離れていても近くにいてもお互いを思い合える人のことだと思います。 みなさまは今年、どんな出会いと別れを経験しましたか? もうすぐ十和田湖のシーズンが始まります! この水海で素敵な出逢いをお待ちしています。
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